ファクタリングを闇金と決めつける弁護士には気を付けて

検索サイトでファクタリング会社を探していると、「ファクタリングの被害救済」を謳う弁護士のページを目にすることがあると思います。
これらの弁護士は、ファクタリングを「売掛債権の売買を装った貸金である」という解釈のもと、ファクタリング業者の行った売掛金の買取を「違法な金利をとった貸付」であるという訴えをしています。
実際に、一部の悪徳業者が「売掛債権の売買を装った貸金を行った」として警察に逮捕された事案もありました。

2社間のファクタリング手数料は、以前と比べて安くなったとはいえ現状は5%~20%が平均的な相場と言えます。
高いのか、安いのか、といわれればもちろん高いです。
ただ、

  1. 銀行やノンバンクからの資金調達は現状の経営状況では難しい
  2. 銀行融資の審査中なのでノンバンクや個人のカードローンは使えない
  3. 友人、知人、家族には相談できない
  4. 売掛先に、ファクタリングの利用を相談するのは難しい

というような悩みを持つ中小企業経営者が資金調達を行うための唯一残された手段が2社間ファクタリングであるということも事実です。

本来、ファクタリングとは貴社と売掛先、ファクタリング会社が3社の合意によって行うものです。
中小企業経営者の、「売掛先に相談せずにファクタリングが行えれば」というニーズから生まれた2社間取引では、ファクタリング会社は売掛先に対して買い取る売掛金の存在についてエビデンスをとることができないため、3社間取引に比べて手数料は高く設定されます。
これは、ファクタリング会社側が負う回収リスクが3社間取引に比べて高いためです。

この2社間ファクタリングの手数料については法令で基準を定められているものではないため、あくまで売却側と買取側の双方の合意によって契約が成立します。

本サイトで紹介しているような事業者には「売掛債権の売買を装った貸金」は当てはまらない

「売掛債権の売買を装った貸金」とはどのようなケースが当てはまるのか?
一例ですが、下記のようなケースが該当すると思われます。(あくまで推測です。)

  1. 売掛金の内容や売掛先の企業規模に関わらず、調達できるのは50万、100万というように小額もしくは定額
  2. 月末に決済を行わず、いわゆる「ジャンプ金(手数料)」のみを支払って契約を更新することを打診される
  3. 売買対象となる売掛債権以外も担保に取っている
  4. 代表者の連帯保証を要求する

現在では、2社間ファクタリングにおける様々な判例も出て、各社契約方法などをブラッシュアップしています。
一部の悪徳業者でない限り、「売掛債権の売買を装った貸金」と疑われるような契約は行っていないと考えられます。

消費者金融の「過払い請求」と同じような説明を受けていませんか?

経営状況が悪くなり、ファクタリングによる資金調達を長く続けていると、当然ながら手数料負担が重くのしかかります。
そこに、法律の専門家である弁護士から、「ファクタリング業者は売掛債権の売買を装った貸金。違法金利は過払い請求で取り戻せる(可能性がある)」と言われたら…
すがってみたくなる気持ちになるのは当然です。
ですが、依頼する前にこの後に書く内容を良くご覧いただき、検討することが必要です。

貴社も多大な代償を払うことになる可能性がある

貴社はファクタリング契約を行うにあたり、業者へ債権譲渡登記の書類への押印、委任状への押印、債権譲渡通知書への押印を行っているはずです。
悪徳な業者であれば、入金履歴に載っている企業すべてに対して書類をとっているかもしれませんし、場合によっては売掛先や売掛金の金額が白紙のものへ押印をとっているかもしれません。

弁護士への依頼を行い、債務整理を開始すると最低限下記のことは行われるという覚悟が必要です。

  1. 債権譲渡通知の売掛先への送付
  2. 売掛債権の有無に関する照会(売掛先への電話)
  3. 債権譲渡登記

もちろん、弁護士は受任通知を送るにあたり、上記のようなことはしないように文書で通達するでしょう。
ただ、恐らくファクタリング会社は売掛債権の保全に動くはずです。
このようなことが起こってしまっては、売掛先全てに多大な迷惑をかけることになってしまい、今後事業を再起するどころではなくなってしまう恐れもあります。
事前に対象となっている売掛先へ状況を説明し、理解を得られるなら別ですが、説明なしにいきなり債権譲渡通知を送られてしまったら関係を修復するのは容易ではありません。

悪徳業者から「過払い」なんて取れない

あなたがお付き合いしているファクタリング会社が「売掛債権の売買を装った貸金」と疑われる行為を行っている悪徳業者だとして、果たして過払い請求に応じるでしょうか?
裁判になれば、あなたや弁護士が望む通りの判決を得られるかもしれません。
ただ、ファクタリング会社側が支払いに応じなければそんなものはただの空手形です。
悪徳業者は、旗色が悪くなればまず間違いなく会社を解散して逃げてしまいます。
仮に刑事告訴され、その悪徳業者に関わった人が逮捕されたとしても、貴社には何のメリットもありませんし、1円の過払い金も返ってはきません。

果たして弁護士はどこまでやってくれるのか?

「ファクタリング業者は売掛債権の売買を装った貸金。違法金利は過払い請求で取り戻せる(可能性がある)」とWebサイトで謳う弁護士は果たしてどこまでやってくれるのか?
悪徳と疑われるファクタリング会社へ乗り込んでいって毅然と交渉を行い、過払い金を取り戻してくれる…などということは恐らくありません。
中にはそのような弁護士の方もいらっしゃるのかもしれませんが、私が聞いた限りではファクタリング会社へ受任通知を送り、後は待ちの一手というケースが多いようです。
ファクタリング会社から内容証明が送られてきたり、訴状が届いたら対応を行うというような対処では、事態は悪化することはあっても良くなることは一つもありません。
訴訟となった場合には、債務整理とは別に対応費用を請求されるケースがほとんどです。
もし依頼をされる場合は、活動方針についてしっかりとお話を伺い、納得の上で着手していただくようにする必要があります。

結局、実は得をするのは弁護士だけ?

完全成功報酬で契約ができれば話は別ですが、ファクタリング会社の債務整理を受任するにあたり、弁護士からは当然費用を請求されるでしょう。

  1. 着手金
  2. 月々の顧問料
  3. ファクタリング会社との交渉が発生した場合の日当や交通費
  4. 訴訟となった場合の費用

結構大きな出費です。
スムーズに解決できない場合、損をするのはあなたとファクタリング会社、得をするのは弁護士だけ?などということも起こり得ます。
しかも、スムーズな解決ができなかった場合、貴社が被るダメージは上記の通り計り知れません。

「和解」を前提とした交渉なら弁護士を交えない方がスムーズ

以前の記事でも書いていますが、経営が難しい状況に陥り、ファクタリング会社への決済が約定通りに行えない場合や、このままの取引を続けていくことは困難な状況に至った場合に、ファクタリング会社と話し合いの場を持つことで事態の打開ができる場合があります。
ファクタリング会社側も、いきなり第三者である弁護士から受任通知が届いて債務整理を通知されるのと、経営者であるあなたから決済に関する相談を受けるのとでは印象や対応が全く異なります。
あなたの考えが「払える範囲で払いたいが、このままでは会社が潰れてしまうので」、というようなケースであるならば、ご自身で交渉なさった方が良い結果が得られる可能性が高いです。

会社の再建、存続に向けた話し合いを

ファクタリング会社としても、このまま貴社に倒産されてしまうのは本意ではないでしょう。
あなたが提示する支払条件が、買い取った売掛金を回収できる見込みがある程度立つものならば、前向きに検討してくれるはずです。
数百万の売掛金に対して月々1万円ずつ、というような条件ではさすがに厳しいかもしれませんが、「10回の分割で」というぐらいの条件なら充分に交渉の余地はあると思われます。
貴社が再建し、存続していく道を探すためにも、まずは交渉はご自身で。
弁護士に相談するのを検討するのは、ご自身での交渉が上手くいかない状況になってからでも遅くはないと思います。

何もしないまま決済日を過ぎるのだけは絶対にNG

ファクタリング会社は売掛金を買取っているだけなので、買い取った売掛金を回収する以外に回収手段がありません。
そのため、決済日当日に経営者と連絡がつかず、入金を確認することができない場合はすぐに

  1. 債権譲渡通知の売掛先への送付
  2. 売掛債権の有無に関する照会(売掛先への電話)
  3. 債権譲渡登記

を行って売掛債権の保全を図ります。
従って、ファクタリング会社との話し合いを考えているのであれば一刻も早く行動することが大切です。
決済日当日を何もしないまま放置することだけは絶対にNGです。